2025年がスタートしました!
今年も「排泄の尊厳が大切にされる社会」を目指して、さらに前へと進んでいきます。
そして、何歳になってもおむつが外れなくて困っている子どもたちなど、様々な事情で「気持ち良い健康な排泄」ができないでいる人々をサポートするための活動を、さらに広く展開していきます。
昨年2024年は、私たちの団体名称が「おむつなし育児研究所」から「こどもと家族の排泄サポート研究所」へと新しくなった記念すべき年でした。
名称変更の背景には「赤ちゃんだけでなく、より多くの人々の“排泄の尊厳”を大切にしたい」という思いがあります。
“排泄の尊厳”なんていう言葉を初めてきいた人の中には、「えっ?何それ?」という感じのリアクションをする人が少なからずいます。 そこで、一年の始まりのこの時期に、排泄の尊厳についてあらためて言葉にしてみました。
排泄の尊厳とは......一言でいうと「その人にとっての気持ち良い排泄を大切にする」ということだと私は思っています。 特に乳幼児・高齢者・障がいがある人など、自分一人では排泄が上手くできない状況の人に対して、お世話する人が「自然で気持ち良い排泄をなるべくさせてあげたい」という気持ちを持って排泄に寄り添うことです。
それは、おむつを使わないで子育てや介護をすることではなく、赤ちゃんの頃からおまるやトイレで排泄させることでもなく、ましてや早くおむつを外すことでもありません。
それは、お世話する人が「排泄に寄り添う」という気持ちを持つことです。その気持ちさえ持つことができたら、もうそれだけで、排泄の尊厳はかなり大切にできています。
多くの人が “汚い・臭い” と嫌う、一日に何度もある“排泄”に心を寄せることで、お世話する人&される人の間に、とても温かい関わりが生まれます。
この温かい関わりを通じて、まだ言葉を話せない小さな子どもや認知症のお年寄りなどにも「自分は大切にされている」ことがしっかり伝わります。この「自分は大切にされている」と感じられることが「尊厳」なのです。 もちろん排泄ではない他の場面でも「大切にされている」ことを感じられる機会はたくさんあります。
それでも私が『排泄』にこだわるのは、「おしっこ・うんちがそろそろ出るかな?」と、「膀胱・腸」という身体の中にある内臓の感覚に寄り添うことを通じて、とても深くて温かいコミュニケーションが自然と生まれる事実を、この20年間でたくさん目撃してきたからです。
身体の中の内臓感覚に寄り添ってもらい、そして、さっきまで自分の身体の中にあった尿や便を「出てよかったね」と肯定してもらう。すると、小さい子どももお年寄りも、驚くほど自己肯定感があがって、穏やかに過ごす時間が増えていくのです。
「自分は大切にされている」ことをしっかり感じて育つ子どもは、大人があれこれ余計な心配をしなくても、自分らしさを発揮して、心豊かにのびのびと育っていけます。 「自分は大切にされている」ことをしっかり感じて生きるお年寄りは、より穏やかにその人らしく残りの人生を過ごすことができます。
そんな人々が一人でも多く増えるよう、皆さんと力を合わせて、今年も様々な活動を展開していきます!
どうぞよろしくお願いします!
2025年1月吉日
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“排泄に心を寄せるという子どもとの温かい関わりが、子どもの一生に影響を及ぼし、それがやがて世界平和へと繋がるのではないかと思う”ーSONY 創業者 井深 大(いぶか まさる)※
※井深 大(いぶか まさる):世界的な企業となったSONYの創業者として、数々の輝かしい業績を残したのち、社会貢献活動として「幼児開発協会」を設立。科学者であった井深氏が、様々な視点から乳幼児教育を研究した後、晩年にたどりついた「子育てで何より大切にしたいこと」の結論は「小さいこどもの排泄に心を寄せること」であった(参考文献「トイレットコミュニケーションのすすめ」幼児開発協会/1992年)
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