
便秘の子が増えている
便秘の子どもが増えています。日本トイレ研究所の調査によると、小学生の約5人に1人が便秘(※1)だそうです。 さらに、0歳~3歳の子どもの約5人に1人が便秘(※2)だということも明らかになっています。
私のところへも、赤ちゃんから小学生までの便秘相談が増加傾向にあります。 相談を受ける中で、「おむつがなかなか外れない」子は、実は便秘になっているケースが多いことがわかってきました。 それなのに、保護者も、そして保育や保健医療分野の子育て支援専門職の方々も、便秘についての誤った情報を信じている人が、実はとても多いのです。私もその一人でした。
★誤解① 便秘は病気じゃない?
医師などの専門職でさえ「たかが便秘でしょ」と軽く考える人が少なくないと言われています。私も実際に、便秘相談を受けた母親から「かかりつけの小児科医を受診したが、あまり真剣に対応してもらえなかった」という訴えをたくさんきいてきました。しかし!便秘は立派な病気です!治さずに放置すると重症便秘になって、子どもの人生が大変なことになってしまう場合もあります!
★誤解② 便秘には食物繊維&発酵食品?
便秘には「食物繊維&発酵食品」が良いと考える人は多いです。しかし!子どもに多い「直腸に便が溜まるタイプ」の便秘では、食物繊維や発酵食品だけでは改善しないケースが少なくありません。その事実を知らずに大人が「食べもので便秘を改善したい」と頑張って対応している間に、便秘がどんどん重症化してしまって、完治するのに長い年月がかかるような事態になってしまったケースが少なくありません。
★誤解③ 便秘の時はお腹のマッサージ?
こどもが便秘の時にはお腹をマッサージ!・・・とよく言われます。それで改善する便秘もあります。しかし!子どもの便秘に多い直腸に便が溜まるタイプだと、腹部マッサージの効果はあまり期待できない場合が多いのです。
★誤解④
うんちが出ていれば便秘じゃない?
「うんちは出ているから 便秘じゃないよね」と考える人が多いです。しかし!便秘でもうんちは出ることがあります。特に「おむつがなかなか外れない幼児で、頻繁におむつにうんちを漏らす」場合は、便秘の可能性が高いのです。また、「何歳になってもおむつが外れない!」と悩んでいる保護者が便秘に気づいていないケースも少なくありません。
★誤解⑤
便を漏らすのは知的発達に問題?
おむつはとっくに外れている学齢期の子だけれど、たびたびパンツにうんちを漏らしたりすると、学校の先生も保護者も”知的発達”を疑う人が多いです。しかし!これも誤解!子どもの便秘の専門医の中には「知的発達と排便コントロールは 全く関係ないわけではないが ほとんど関係ないといえる」と言う人もいます。
つまり、おむつが外れている年齢でも頻繁に便を漏らす場合は、便秘が原因である可能性が高いのです!
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このように便秘をめぐって多くの大人が誤解しているために、適切な治療を適切なタイミングで受けられず、便秘が重症化して長い間苦しんでいる子が本当に増えています。
だからこそ、医師だけでなく、普段から子どもと接することの多い、病院と家庭の間にいる保育や保健医療分野の子育て支援専門職にも、そして便秘の子どもの保護者にも、便秘についての正しい知識を持つことが求められているのです。 ーーーーーーーーーーーーー ※1『親と子の便秘に関する意識調査』NPO 法人 日本トイレ研究所 ※2『0~3歳児の排便・食事・睡眠に関する調査』NPO 法人 日本トイレ研究所
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